統一選で“独り勝ち” 菅官房長官「ポスト安倍」に色気アリ
自民党の二階俊博幹事長が月刊誌(文藝春秋5月号)で「ポスト安倍」の有力候補に菅義偉官房長官の名前を挙げた。8日の記者会見でこれについて聞かれた菅氏は、苦笑いを浮かべ「全く考えていない」と答えたが、誰も額面通りには受け取っていない。
7日の統一地方選前半戦の結果、安倍政権内の力学に変化が生じた。
麻生太郎副総理は地元の福岡県知事選で支援した候補が大惨敗。二階幹事長は3度も大阪入りしたのに、推薦した知事・市長候補とも大阪維新の会に敗北したうえ、地元・和歌山県議選では自民現職が共産新人に敗れる失態もあった。「竹下・青木王国」と呼ばれる島根県の知事選では、竹下亘前総務会長が支援した候補が敗退。昨年の総裁選で竹下派を後ろ盾にした石破茂元幹事長にも痛い敗北である。
そんな中、独り勝ちと言っていいのが菅氏だ。パイプを維持してきた維新の松井一郎代表は快勝。福岡県知事選でも勝利した現職を推していた。北海道知事選では、菅氏が擁立したとされる前夕張市長が当選した。
「これからますます菅さんの力が強くなりますよ。麻生さんの頭越しで『忖度発言』の塚田副大臣に鈴を付けたのも菅さんでした。『令和オジサン』にもなったし、俄然、ポスト安倍の最右翼に躍り出たと言っていい。派閥はないが、無派閥議員など30~40人のシンパがいる。担がれれば、本人もまんざらではないでしょう」(自民党関係者)