宮田律
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宮田律現代イスラム研究センター理事長

1955年、山梨県甲府市生まれ。83年、慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。専門は現代イスラム政治、イラン政治史。「イラン~世界の火薬庫」(光文社新書)、「物語 イランの歴史」(中公新書)、「イラン革命防衛隊」(武田ランダムハウスジャパン)などの著書がある。近著に「黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル: 「反イラン枢軸」の暗部」(平凡社新書)。

安倍首相に“イラン戦争”への協力を促しにきたかのようなトランプ発言

公開日: 更新日:

 G20大阪サミットで来日したトランプ大統領は、28日、安倍首相との会談で「軍事、武器について協議する」と語ったが、あらためて軍事について米国の利益を最優先させる姿勢をあらわにした。そうした意図は、トランプ大統領が日米安保の破棄に言及し、またホルムズ海峡を航行するタンカーに日本や中国の自衛を求めたことにも見られた。6月13日に起きたオマーン湾でのタンカー攻撃について、米国による「イラン犯行説」をイギリスは支持したものの、イランとの緊張で米国に協力する先進国の動きはほとんど見られない。トランプ大統領の発言は、かりにイラン戦争という事態になったら、日本にも協力を促すというメッセージが込められているのかもしれない。

■ペルシア湾に米軍は不要

 そもそも、ペルシア湾岸までのシーレーンには日本のタンカーを攻撃する主体となるような国家は存在せず、タンカーに対する脅威はほとんどないように見える。あるとすれば、海賊や武装集団だが、ソマリア沖・アデン湾における海賊の発生件数は、自衛隊も参加する多国間での海上警備活動などで2018年が3件、2019年も3月までが0件と、ピークの2011年の237件と比べると激減している。海上警備活動には2009年の時点で25カ国余りが参加するなど、米軍だけの軍事力で海賊の活動を封じているわけでは決してない。

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