小林節
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小林節慶応大名誉教授

1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

「賭博」の説明を避けた横浜統合リゾート・エキスポの欺瞞

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 しかし、語るに落ちている場面もあった。国際会議場や美術館などは本来的に収益率は低いものだが、そこを補填して高水準を維持する財源はカジノ収益だと言っていた。

 実際に海外のカジノに行ってみて実感できたが、カジノは、人間の本性の中に潜む射幸心(努力せず一獲千金を望む魔)を誘導して一晩で全財産を奪う完成されたシステムである。時間を忘れさせる空間で美女が美酒と美食をサーブしてくれて、一度「勝った」快感を覚えさせられたら、全財産の限度で即座に借金が許され、気がついたら無一文になって朝を迎える。こんな客になりそうな資産家は横浜市内にいくらでもいる。その結果、郊外の駅前の豪邸がいつの間にか大企業による分譲マンションに変わっても、その原因がカジノだとは誰も気づかないであろう。

 賭博は麻薬と同じで犯罪である【刑法185条】。それを例外的に合法化する正当性は今の横浜にはない。市は「財源不足」を言う。しかし、それでは日本中が賭博場だらけになってしまう。日本第2の都市横浜には十分な財源はある。問題は、市にそれを市民福祉に使う意思がなく、それをいわゆる箱もの(建築土木)に使ってしまう点なのである。

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