安倍首相の的外れな憲法論 まず現行憲法を守ってから言え
20日の施政方針演説の中で安倍首相がまた「憲法」について語った。しかし、それは「的外れ」な妄言としか評しようがない。
いわく「国のかたちを語るものは憲法です」。しかし、憲法の定義を一文で語るなら「国家権力(担当者たち)を縛るものが憲法です」となるべきである。本来的に不完全な人間が国家権力という大権を預かるため、その乱用を予防・匡正するための主権者国民の最高意思が憲法である。その結果、憲法は、「わが国は、王国ではなく民主国家で、人権を保障し、三権分立と地方自治を採用し……」と「国のかたち」を語ることにはなる。
しかし、憲法の本質は、その国のかたちを「語る」ことではなく、その国のかたちを「権力者に守らせる」ことにある。だから、その点に触れようとしない安倍首相の憲法観は的外れである。
しかも、安倍政権は、史上最も露骨に憲法を無視した政権である。自民党政権が確立した解釈では9条の故にわが国は海外に「戦争」に行けない国であった。しかし、その戦争を解禁したのが安倍内閣である。