京都から中国人が消えた…新型コロナで観光地正常化の皮肉
メールマガジンで連載を始めた「源氏ハイライト」の取材のため、先日(今月13~15日)、京都に行ってきた。最初は光源氏と六条御息所の別れの舞台となった野宮神社。嵐山には1年ぶりに行ったが、新型コロナウイルス騒動の影響で外国人観光客が激減していた。
私は苔が好きなので、嵯峨野周辺を散歩することが多いが、観光名所の「竹林の小径」には、いつもは大勢いる自撮り棒を持った中国人観光客が1人もいなかった。今回は修学旅行の一団とすれ違っただけである。
現在、中国の旅行会社を統括する中国旅行社協会は国外への団体旅行を禁じている。日本も湖北省発行のパスポートなどを持つ中国人や、湖北省や浙江省に滞在歴のある外国人の入国拒否を決めた。これにより中国人団体客の宿泊施設や観光施設のキャンセルが相次いでいるとのこと。一時は急騰していたホテルの価格も、3分の1から半分くらいまで下がっている。
地元では不幸中の幸いという声も上がっている。
〈「私たち祇園の人間は、『10年前の静かな祇園が戻ってきたみたいやなあ』『このくらいのお客さんの数がちょうどええなあ』と感慨深く話し合っています。不謹慎かもしれませんけど、この静かな状況がずっと続けばいいのになと。率直に言って、中国をはじめとするアジア系の方はマナーの悪い方もおられました」(祇園町南側地区協議会の太田磯一幹事)〉(週刊新潮2月13日号)