開催強行していれば東京五輪は「呪われたオリンピック」に
世界のほぼ全ての国は、新型コロナウイルスを甘く見ていた。代表的なのは米国のトランプ大統領である。「4月には消える」「そのうち(感染は)ゼロになる」「感染集団発生は民主党のでっち上げ」と言っていたが、今や米国の感染者数は中国、イタリアに次ぐ。
カリフォルニア、ニューヨーク、イリノイ、コネティカット、ニュージャージーは外出禁止令を出した。5州の経済規模は全米の約31%に上る(23日時点)。
こうした流れを受けて、ゴールドマン・サックスは四半期(4月から6月)の米国GDPを24%減、JPモルガンも同14%減と予測。トランプ大統領は新型コロナウイルスとの戦争(WAR)宣言をするに至った。
危機感の欠如は欧州も同じである。3月中旬まで、EUは域内の自由移動を維持していたが、イタリア、スペイン、ドイツ、フランスで感染者が1万人を突破。イタリアが非常事態宣言し、フランスは全土で罰則を伴う外出大幅制限を、ドイツは国境封鎖をそれぞれ実施した。当然ながら、サッカーの欧州選手権や南米選手権、テニスの全仏オープン、米プロバスケットボール、各種ゴルフ大会など、各種スポーツ大会の開催が相次いで中止・延期となった。