保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

日本はソ連が対日戦に踏み切らないよう必死だった

公開日: 更新日:
ドイツ・ベルリン郊外のポツダムで会談する(左から)チャーチル、トルーマン、スターリンの英米ソ首脳。日本に無条件降伏を迫った(1945年7月)/(C)共同通信社

 想定のひとつは、日本がこの頃にソ連にいかに媚態を示していたかという点だ。日本はソ連に、この戦争のアメリカ、イギリスとの講和の仲介を依頼していた。正式には、モスクワに特使を送り、仲介をより具体的にしていく方針も決めた。これには天皇の意思も働いていた。昭和20(1945)年7月7日…

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