都ファ31議席獲得で小池知事は高笑い 奇手“寝たふり作戦”の全内幕と今後の政局

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 自公はもちろん、都民もまた“女帝”に「してやられた」のか。小池都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会(都ファ)」が都議選で31議席を獲得。都政第1党を奪還した自民(33議席)に肉薄し、1ケタ台に落ち込み、消滅危機との事前予測をひっくり返した。生き残った要因は小池知事の奇手。“寝たふり”作戦の全内幕とは――。

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  ◇  ◇  ◇

「小池知事、応援いただきましてありがとうございます」

 都議選ラストサタデーの3日午前、小池知事がガラス張りの選挙カーに乗って現れるなり、涙ながらにそう“絶叫”したのは、都ファの荒木千陽代表だ。この日、小池知事はマイクこそ握らなかったが、都ファ候補10人超の事務所を激励して回った。下馬評を覆したのは、突然の応援行脚が奏功したと言っていい。

「小池知事の応援入りの裏には、側近らの必死の要請があったようです。2日の会見で知事が『都ファには頑張ってもらいたい』と発言したのを受け、側近らは勝手に知事の『遊説スケジュール』を提示。ウワサされた自民の二階幹事長との〈都ファ候補は応援しない〉という密約が頭をよぎったのか、小池知事は当初、『それはできない』と怒って突っぱねたそうです。しかし、荒木代表以下、側近に押される形で『演説はナシ』という条件で応援行脚を受け入れたと聞いています」(官邸事情通)

 小池知事は先月22日から過度の疲労で9日間も入院。選挙序盤は“党の顔”を失った都ファ関係者から失望の声が上がったが、この「長期不在」も結果オーライとなった。当選した都ファ都議はこう言う。

「入院後、われわれに対する街中の反応が激変したのです。自民、公明支持を公言する人から『今回は都ファに入れるよ』『頑張って』と声をかけられる機会が圧倒的に増えました。入院した時は不安でしたが、結果的に『知事不在』が同情票を集めたと実感しています」

 わざわざ開いた退院後の会見でも小池知事は頼りない足取りで現れ、「どこかでバタッと倒れるかもしれないが、本望だと思ってやり抜く」とかすれた声で話した。この“お涙頂戴”の姿も、都民の同情を誘ったのだろう。

期待を裏切り都ファは自公の“草刈り場”に

 しぶとい女帝の“寝たふり”作戦で都議会は、都ファ31、立憲・共産34、自公56と、いずれも過半数に達さない三すくみ状態に。この状況こそ小池知事にとって願ったりかなったりの展開だ。自身の言動ひとつで今後の政局のキャスチングボートを握れるからだ。都政に詳しいジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。

「自公に過半数を取られていれば、小池知事は都議会運営で自由を奪われていたでしょう。ところが、都ファ、立憲、共産が一定議席を獲得し、自公の影響力は弱いまま。この結果が都政のみならず、国政にも影響するのは確実です。もし都ファが大敗していれば、菅政権は『小池はそんなものか』と軽んじたはずです。小池知事の立場も弱体化の一途だったでしょう。都ファが土俵際いっぱいから盛り返したことで、『犬猿の仲』といわれる菅首相も小池知事に一定の配慮をせざるを得なくなったと言えます」

 勢いを得た女帝は国政復帰を視野に、今後はイエスマン集団の都ファを操り、自公に寝返ることだって考えられる。前出の官邸事情通は「小池知事は今後、過半数割れの自公に恩を売ることができる。この立場を最大限利用してくるだろう」とみる。

 貸しをつくりたい小池知事の「協力せよ」との号令一下で、都ファは一糸乱れず自公にスリ寄り。中途半端な“草刈り場”と化す可能性もある。衆院選の前哨戦でせっかく自公に「NO」を突き付け、都ファにかすかな期待を託した都民の判断は無に帰す恐れさえあるのだ。

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