立憲・泉健太新代表の覚悟は「党役員人事」で分かる “仲良しクラブ”払拭へ政治評論家が提言
「47歳の新しい船長に就任をいたしました」
立憲の代表選で、勝った泉健太新代表はこう声を張り上げた。4人の候補者の中で一番若いことが、頼りない印象を与えると気にしたのかもしれない。
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「枝野代表は官房長官の時にその年齢、小沢一郎先生は47歳の時に自民党の幹事長をされていた。若すぎるということはございません」とアピールしていた。
たしかに、年齢自体は問題ではない。自民党や、与党ベッタリの大メディアとどう向き合い、対峙していくのか。その覚悟と能力があるかどうかだ。真っ先に手をつける党役員人事を見れば、新代表にいかほどの覚悟があるのかが分かる。
泉氏は代表選出後の会見で、代表選を争った3候補を執行役員に起用する方針を表明。また、「執行部の半数を女性にしたい」とも言っている。
■「小沢一郎新幹事長」くらいの迫力が必要
「代表選を戦った全員の執行部入りは、党が割れることを恐れて、ノーサイドを演出するためでしょうが、そんな仲良しクラブのようなことをしていて自民党に勝てるのか。3人のうち誰が幹事長になっても、パワハラで有名な自民の茂木幹事長に軽くあしらわれるだけです。小沢一郎幹事長、あるいは女性登用というのなら小沢グループの森裕子副代表を幹事長にするくらいの思い切った人事をやれば迫力が出てくる。与党との対決姿勢も鮮明になります」(政治評論家・本澤二郎氏)
“立憲は批判ばかり”を真に受け過ぎ
今回の代表選で小沢グループは早い段階から泉氏を支持。小沢氏を登用する度量が泉氏にあるかどうか。代表選を通じて、泉氏は「批判ではなく政策提案型」と訴えていた。“立憲は批判ばかり”というメディアやネットの言いがかりを真に受けているようで気になる。
「提案や話し合いで自民の腐敗政治を正せると思っているなら青い。イケイケの日本維新の会は対決姿勢で支持率を上げている。プロレスだと分かっていても、維新が与党攻撃を加速させればテレビメディアはもてはやす。優等生路線の立憲は埋没していくだけです。枝野代表の方がマシだったと言われかねません」(本澤二郎氏)
くしくも30日、維新も党役員人事を行った。共同代表に就任する馬場伸幸幹事長の後任には、当選2回で40歳の藤田文武衆議院議員を抜擢。総務会長の柳ケ瀬裕文参議院議員は47歳、政調会長の音喜多駿参議院議員は38歳と、一気に若返りを図ってきた。
これでは泉氏の「若さ」もたいして売りにはならない。話題性ならやはり、当選18回を誇る政界最長老の小沢氏に登場してもらうしかないか。
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