立岩陽一郎
著者のコラム一覧
立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

社会部記者の最大の狙いは政界の汚職や不正だが…「1票の格差」の議論に違和感

公開日: 更新日:

 政界を引退した大島理森前衆院議長とは一度、国会内で言葉を交わしたことがある。それはNHK記者時代に衆議院事務総長の谷福丸氏の部屋で取材している時で、大島氏が議長になるかなり前のことだ。ふらっと入ってきた大島氏に「なんで社会部の記者がこんなところにいるんだ」とギロリとにらまれた。

 しかし大島氏は「何か嗅ぎまわっているのか」などと言いつつ、谷氏にうながされて座りしばらく3人で話をした。私の関心は、国会図書館や議員会館の建築・拡充、公設秘書制度の在り方、国会の決算機能の重視だった。そうした諸々についてざっくばらんにやりとりした。私は、決算を担当する会計検査院はアメリカでは議会に属していること、アメリカでは議員スタッフが充実していることなど話した。大島氏は既に知っていたかもしれないが、関心を示して聞いていた。詳しい経緯は知らないが、後に国会が会計検査院に検査要請を出せるように国会法が改正されている。

 社会部の記者は政治部とは異なり、個別の議員に張りつく取材はしない。政局を取材するわけではないのと、加えて社会部記者の最大の狙いは政界の汚職や不正だ。必然的に、与野党問わずに政治家から敬遠されるところがある。大島氏とも以後やりとりはない。私自身は汚職取材はもちろんだが、加えて国会の制度にも関心をもって取材をしていた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ジャニー喜多川氏の性加害を暴いた“禁断の書”の中身…超人気アイドルが「ジャニーさんが、ジャニーさんが…」

    ジャニー喜多川氏の性加害を暴いた“禁断の書”の中身…超人気アイドルが「ジャニーさんが、ジャニーさんが…」

  2. 2
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 4
    市川猿之助はジャニー喜多川と同じだったのか、それとも伊丹十三か?

    市川猿之助はジャニー喜多川と同じだったのか、それとも伊丹十三か?

  5. 5
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6
    キムタク「教場0」がお巡りさんから総スカン! 交番勤務を見下した指導官の決めゼリフ

    キムタク「教場0」がお巡りさんから総スカン! 交番勤務を見下した指導官の決めゼリフ

  2. 7
    中村倫也&水卜アナ“新婚公開のろけ”が「ほっこり」から「さすがにくどい」に変わった瞬間

    中村倫也&水卜アナ“新婚公開のろけ”が「ほっこり」から「さすがにくどい」に変わった瞬間

  3. 8
    香川照之に何が…21年連れ添った元CA妻と「離婚」の真相

    香川照之に何が…21年連れ添った元CA妻と「離婚」の真相

  4. 9
    元Jr.が実名告発する合宿所の“驚愕事態”「単純計算しても2500人以上が犠牲に…」

    元Jr.が実名告発する合宿所の“驚愕事態”「単純計算しても2500人以上が犠牲に…」

  5. 10
    元Jr.が実名激白!「東山はジャニー氏側近中の側近。性加害を知らないはずがない」

    元Jr.が実名激白!「東山はジャニー氏側近中の側近。性加害を知らないはずがない」