著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

終戦を迎え、スパイたちは4日間かけて書類を燃やし工作を隠蔽した

公開日: 更新日:
焼け跡で玉音放送をラジオで聞き、涙を流す戦災者たち=1945年8月15日(C)共同通信社

 戦火が激しくなった場合、近衛文麿が身を寄せるのは、鶴巻温泉の一角にあるこの別荘であろうとの推測は間違ってはいなかったようだ。陸軍省防諜課のスパイたちが20日間近くかけて電線を引き、マイクロホンをこっそりと居室の縁の下に設置し終えたのは7月28日だったという。近衛がこの田舎町でど… 

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