どうやら「凶」と出たようだ 岸田首相の派閥解消大博打(上)

公開日: 更新日:

裏金集団が派閥解散で「禊は済んだ」と言わんばかりの茶番劇

 相変わらず「秘書が」と繰り返し、責任逃れする裏金集団に、多くの国民は呆れ返っているのではないか。

 安倍派の世耕前参院幹事長は、1500万円超のキックバック不記載について「秘書に任せきりにしていた。秘書が私に報告しないまま、収支報告書の簿外で管理していた」と弁明。しかも、自らが立件されなかったことで「法的な責任については一つの区切りがついたのではないか」と頬かむりである。

 高木事務総長は、派閥の収支報告書を「見たことがない」とまで言ってのけた。

 さらに高木は「亡くなった後も安倍派を名乗らせていただいたことはありがたかった」と語り、派閥解消について「安倍さんに大変申し訳ないと思っている」と涙ながらに“反省”。事務総長を経験した西村もX(旧ツイッター)に〈安倍総理に対し、大変申し訳なく思っております〉と投稿していたが、謝罪する相手を完全にはき違えている。謝罪すべきは国民に対してだろう。

 高木や西村ら事務総長経験者は、裏金化について「会長案件だった」と亡くなった安倍に責任を押し付けていたではないか。それが謝罪とは、どういう思考回路なのか理解不能だ。

 安倍派幹部らは派閥を解消したことで「禊は済んだ」と言わんばかりだが、それで国民が納得するとでも思っているのか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

「『秘書がやった』というのは、自民党の“伝統的”な逃げ口上です。しかし、一般社会ではそんな言い逃れは通用しない。本来、なぜ裏金づくりが行われてきたのか、カネを何に使ったのか、キチンと説明し、責任の所在を明らかにすべきです。『禊は済んだ』と思ったら大間違いです」

 連中の釈明は茶番だ。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    石丸現象は完全消滅…都議選で自民党と並ぶ42人擁立も新党「再生の道」は壊滅危機

  2. 2

    山尾志桜里氏「みそぎ」の出馬会見で火に油…延々2時間半「すみません」連呼、8年前の不倫報道には“完黙”

  3. 3

    随意契約“小泉米”をホメているのは新聞とテレビだけ…専門家の評判はからっきし

  4. 4

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  5. 5

    国民民主党の凋落が止まらない…東京都議選の目標議席「11→5」にシレッと“下方修正”の哀れ

  1. 6

    進次郎農相の“JA憎し”どこまで…「古古古古米」込み20万トン再放出の“逆兵糧攻め”で宿敵つぶしに躍起

  2. 7

    山尾志桜里氏が参院選「公認取り消し」に至るまで…玉木国民民主またポンコツぶり露呈

  3. 8

    コメ高騰と備蓄米叩き売りで進次郎農相・自民農水族・財務省が“焼け太り”…輸入拡大ならトランプ大統領もニンマリか

  4. 9

    参院選の争点に浮上か? 野党3党がガソリン「暫定税率廃止」法案を共同提出する深謀遠慮

  5. 10

    自民党の大嘘…12年前に掲げた「農業・農村全体の所得を今後10年間で倍増」はどうなった?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも