韓国という国がなぜか羨ましい…大統領の暴挙にすぐ立ち上がった市民の意識

公開日: 更新日:

 帰国して事件の資料を探したり、韓国の人間から話を聞いたが、情報は極めて少なかった。

 その全が退陣して、韓国は民主主義の優等生といわれるくらいまでになった。ネットの普及で市民メディアが大統領選まで左右する力を持ってきた。だが、朴の娘・朴槿恵が退陣するまで光州事件について大っぴらに語ることはタブー視されてきたようだ。

 先週の12月3日、韓国の市民たちにあの「悪夢」を思い起こさせる事態が出来したのである。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が突然、民主主義を封殺する「非常戒厳」を宣言したのだ。

 国会は野党が多数のため「政治が停滞している」ことが理由だといわれるが、一説には「妻の金建希(キム・ゴンヒ)がドイツ車の輸入販売会社の株価を不正に操作」した疑惑で、彼女の捜査を行う法律が10日に成立するのを阻止しようとしたのではないかともいわれているようだ。支持率も10%台まで落ち、破れかぶれの末の暴挙だったのか。

 韓国の憲法では、国会で決議すれば戒厳令を解除できると定められてはいる。だが、それよりも、戒厳令と聞いて市民がすぐに反応し、反対するデモが国会前を埋め尽くした。野党も弾劾訴追に動いた。尹はわずか6時間後に非常戒厳を解除せざるを得なくなった。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」