自民党の商品券配布「原資は官房機密費」は33年前からの慣習か…過去の暴露資料に“痕跡”残る

公開日: 更新日:

 本当に「ポケットマネー」なのか。石破首相自民党の新人議員15人に1人10万円分の商品券を配った問題は、歴代政権にも波及。自民党の悪しき「伝統文化」と見るのが妥当だ。問題は商品券の原資で、野党の「官房機密費(内閣官房報償費)ではないのか」との指摘通りなら、ドケチ首相の変節も合点がいく。過去に暴かれた機密費の資料にも“痕跡”がしっかりと残っていた。

  ◇  ◇  ◇

 問題の商品券に公邸会食の費用を含めれば総額は約180万円。永田町随一のケチで知られる石破がポケットマネーから出すなんて、党内の誰も信じていない。平時なら「天変地異の前触れ」と騒がれただろうが、今や一国のトップ。時の官房長官が首相官邸の自室で管理する機密費の金庫に手が届く立場だ。商品券配布が歴代自民党政権の「慣習」ならなおさらで、いくら石破が自腹と言い張っても日頃のドケチが災いし、機密費流用への疑念は深まるばかりだ。

 機密費の財源は国民の税金で支出額は年間10億円超に上るが、公表の義務は一切なし。しかしベールに包まれてきた使い道を、共産党が暴露したことがある。2002年4月、当時の志位委員長が機密費の実態を示す内部文書を入手したとして、中身を公表したのだ。

 文書は、宮沢喜一内閣で加藤紘一氏が官房長官を務めていた1991年11月~92年12月に作成された会計記録の一部だ。記された機密費の支出額は1億4386万円。うち「国会対策費」の分類で3574万円の記録があり、92年2月27日の日付で〈商品券〉として312万2575円の記載が残されていた。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解