夏の参院選へ自民党は戦々恐々…トランプ関税「コメ献上案」浮上で地方の反乱が始まった

公開日: 更新日:

 トランプ関税への“交渉カード”として浮上している米国産のコメの輸入拡大をめぐり、政府・自民党内の攻防が激化してきた。

 政府は、高騰しているコメの値段が下がれば一石二鳥、とトランプ米国にコメを差し出す検討を始めているが、さっそく江藤農相が「主食で自給可能なコメを海外に頼ると国内生産が大幅に減少しかねない」「農業者の方々が意欲を失ってしまう」と反発し、閣内不一致の様相。自民党内からも、森山幹事長や鈴木総務会長らが安易な輸入拡大に反対の声を上げている。

 食料安全保障の面から考えても、農家が意欲を失う輸入拡大は愚策だが、自民党内が最も心配しているのは夏の参院選への影響だ。「コメは政治的にもセンシティブな問題」(鈴木総務会長)。トランプ関税の90日の猶予期限は7月9日。通常国会が会期どおりに閉じれば、参院選は7月3日公示、20日投開票の日程が有力だ。参院選直前にコメ輸入拡大が決まれば、農家の怒りの火に油を注ぎ、選挙への影響は避けられない。

「参院選は32ある1人区の勝敗が選挙結果を左右する。1人区はほとんどが農業県。中でもコメどころの東北6県や新潟はただでさえ毎回苦戦している。9年前の参院選では、安倍政権がTPPを推進したことに農業票が猛反発し、東北は1勝5敗とボロボロ、新潟も敗れた。6年前も7県中5敗だった。コメどころを敵に回すのはまずい」(自民党関係者)

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    公明党が自民党総裁選に異例のドーカツ…「ポスト石破」本命の高市早苗氏&小泉進次郎氏に影落とす

  2. 2

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  3. 3

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  4. 4

    9.8決戦を目前に過熱する「石破おろし」情報戦…飛び交う総裁選前倒し「賛成」の票読み

  5. 5

    参政党に自民落選組がワラワラ“大移動”の可能性…「このハゲー!」豊田真由子氏が役員就任の無節操

  1. 6

    小泉進次郎氏を元首相3人&現首相が“雪崩支援”の怪情報…自民党総裁選「ジジ殺し」の本領発揮か

  2. 7

    維新またゴタゴタ…現職代議士3人が藤田執行部に反発し集団離党の「同床異夢」

  3. 8

    社民党参院議員ラサール石井氏に聞く 初の議員生活、芸能活動との両立、任期6年でやりたいこと

  4. 9

    混迷の伊東市政…不信任の田久保市長が“論点ずらし”の議会解散→「悲劇のヒロイン」演出の悪あがき

  5. 10

    裏金議員からの包囲網でついに白旗…無残な石破退陣と自民党の命運(上)

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  3. 3

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 4

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  5. 5

    ドジャース大谷が佐々木朗希への「痛烈な皮肉」を体現…耳の痛い“フォア・ザ・チーム”の発言も

  1. 6

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  2. 7

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  3. 8

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった

  4. 9

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い

  5. 10

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督