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シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

米国で広がる排除の連鎖…ワシントンDCでの州兵銃撃を機に移民・難民が一斉に標的に

公開日: 更新日:

 こうした強硬政策に対し、「たった一つの事件を理由に、移民全体への締め付けと排除が正当化された」との批判が噴出している。対象国の多くがアフリカ、中東、南アジアに集中していることから、黒人国家、ムスリム国家を危険視する差別的政策だという懸念も高まっている。

■「逆移民」まで持ち出す

 これに対しトランプ大統領は、いわゆる第三世界からの移民を永久停止し、既に滞在する移民を送り返す「逆移民」の必要性を強調。「逆移民」は欧州極右が多用する概念で、民族・国籍による排除を正当化するレトリックとして知られる。移民国家アメリカにおいて、現職の大統領がこうした概念を公的な場で持ち出すのは、極めて異例の事態だ。

 強硬化する移民排除の波の中で、誰が“アメリカ人”にふさわしいのか。国籍や人種によって市民権を線引きすることは許されるのか。

 銃撃事件を契機とした議論は、アメリカ社会の根幹にある市民権の概念そのものを揺さぶりつつある。

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