中道改革連合・小川淳也氏に聞いた「18の疑問」 火中の栗拾い代表就任から2カ月

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国家主義的政策には厳しく臨む

 ──高市政権は国論二分政策に矢継ぎ早です。インテリジェンス(情報収集・分析)政策の司令塔「国家情報会議」と実務を担う「国家情報局」を新設する関連法案は中道も賛成。個人情報保護や政治的中立性確保への配慮を付帯決議に盛り込んだとはいえ、国民監視の懸念は消えません。

 国家主義的傾向のある法案については、国民の自由や人権を尊重する立場から国会審議に厳しく臨むのが大方針。その前提に立って現場は奮闘してくれたと思っています。

 ──政府は防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、殺傷兵器の輸出を解禁。スパイ防止法制定、対外情報庁や日本国国章損壊罪の創設に前のめりです。どう対応しますか。

 現段階では一般論しか言えませんが、大方針は示しています。よく議論し、果敢に挑んでほしい。賛否を先回りするつもりはありません。党内の民主的議論を期したいと思います。

 ──首相は憲法改正に向けた発議のメドを27年春までと区切った。代表は自衛隊明記を是とするような発言をしています。

 私は9条の積極改憲論者ではありません。一方、自衛隊に対する国民の信頼は厚い。内閣府の世論調査で「良い印象」との回答が9割超。護憲派やリベラル層の多くも自衛隊支持ということでしょう。議論を否定する環境ではないし、納得を得られる根拠規定までをも否定するものではありません。それが真意です。

 ──政府は今国会での皇室典範の改正も目指しています。中道は5月中旬までに意見集約するとのことですが?

 見解を出せるように努力すると(「安定的な皇位継承に関する検討本部」の)笠本部長から報告を受けています。急ぐ課題ですが、党派的対立や党利党略によって決まるのは望ましくありません。与党の数が増えたとはいえ、各党が幅広く合意できるよう丁寧にやってほしい。

 ──政府は衆院定数削減も今国会で実現するとし、比例区のみ45削減を検討しています。中立公は比例のみは「妥当ではない」との見解で一致。代表は中選挙区制回帰に否定的で、比例を増やすべきとの考えですね。

 私見です。民主主義の根幹に関わる選挙制度改革を議論するのであれば、比例代表制への移行が現代的との思いはある。中選挙区制は良く言えば人物本位、悪く言うと政党政治の否定。政権交代が起きにくい制度的インフラだった側面もある。総選挙で316議席を獲得した自民の比例区の得票数は約2102万票、49議席の我が党が約1043万票。自民300なら、こちらは150ぐらいがしかるべきじゃないか、との思いもあります。

■「同盟するとも同調せず」でいい

 ──高市外交はどうですか。米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦の法的評価を避けてます。

 同盟関係とはいえ、顔色を見て態度を変えるのは法の支配と言わないし、原則を語れない外交は国際社会から信用されません。同盟するとも同調せず、であっていいはずです。「平和と繁栄をもたらせるのはドナルドしかいない」と思っている日本国民はいないのではないでしょうか。

 ──政権批判が弱まった印象です。

 権力監視をおろそかにする野党であってはなりません。そこは明確に力強くやっていく。

 ──物価高騰が加速しています。衆院選の公約にした飲食料品の恒久的な消費税ゼロ減税について、階幹事長が「恒久財源が見つかる自信がない」と発言。修正するんですか。

 確かに簡単ではないですが、公約は重い。そういう方向で議論していきます。同じく公約に掲げた給付付き税額控除も社会保障国民会議の俎上にのっている。党派を超えてやるべきテーマなので議論に貢献したい。高市さんは2年間消費税ゼロを給付付き控除のつなぎに位置付けている。政権公約にして大勝したんだから、責任を持ってやって下さいとの立場です。

 ──代表の政治姿勢は「愚直」と評される一方、言動が「くどい」「青くさい」との声もあります。

 くどいですかね? ご批判を受け止めつつ、青くさいほどに理想を掲げない政治に魅力があるか、とも思っています。確信に近い思いなので自分の役割として貫きたい。

 ──総理大臣を目指しますか。

 その問いだけは何度聞かれても本当にピンとこないんです。政治家になりたかったわけでもないし、引退して家族を大事にして過ごせたら、私的な人生としてどんなにか幸せだろうとも思うんです。ただ、社会の行き詰まりを目の前にしながら、構造問題を直視して手を突っ込もうとするリーダーが皆無。そんな政治でいいのか、という思いに突き動かされて今日まで参りました。目指しているのは社会の変革。総理大臣になったとしても、それに手を付けられなければ何の意味もありません。

(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)

▽小川淳也(おがわ・じゅんや)1971年、香川県高松市生まれ。東大法学部を卒業後、94年に自治省(現総務省)に入省。退職した2003年の衆院選に民主党公認で香川1区に出馬するも落選。05年衆院選で比例復活により初当選し、現在8期目。民進党や希望の党を経て立憲民主党の幹事長などを歴任。26年2月から現職。著書に「日本改革原案」など。ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」、続編の「香川1区」でも知られる。

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