下馬評ではメッシよりミュラーだが…W杯得点王のうまみ
とはいえ国民的英雄マラドーナが達成した86年メキシコW杯以来、3度目の頂点を目指すアルゼンチンにとって、勝ちも負けもメッシ次第だ。メッシがゴールを決めなければ優勝は難しい。メッシをアシストするMFディマリアがベルギー戦で負傷し、準決勝を欠場して決勝出場も微妙。そのためオランダ戦では「メッシ・システム」が全く機能せず、高速ドリブルでゴール前へ鋭く切り込むシーンがほとんど見られなかった。ディマリアの復帰が不確かなのも不安材料といえる。
オランダ代表FWの2人が3位決定戦のブラジル戦でハットトリックを達成するというのも、非現実的だ。ミュラーのタイトル取りが現実味を帯びてくる。
タイトルにうまみはあるのか。
「W杯得点王には、主催者FIFAからアディダス社製作のシューズをかたどったトロフィーが授与されますが、賞金など特別ボーナスはありません。
ただ所属クラブが、年俸更改の際にW杯得点王に敬意を表して10%ほどアップしてくれる。もちろんクラブが選手を移籍させる際に、W杯得点王は知名度抜群、集客性も高いという条件を提示して高額移籍金を手にするというのが強豪クラブの通例です。そういった意味では、クラブにとっても得点王のタイトルはうまみがあるわけです」(サッカー誌記者)
ちなみにミュラーが得点王になれば、契約しているアディダス社から特別ボーナスとして1400万円が支給される。
さらに年俸11億円のミュラーには10%の1億1000万円が手に入る。
得点王は価値が高いのだ。