著者のコラム一覧
森高夕次漫画家・漫画原作者

1963年、長野県生まれ。コージィ城倉のペンネームで89年「男と女のおかしなストーリー」でデビュー。原作を務める「グラゼニ」(「モーニング」連載中)は「お金」をテーマにした異色の野球漫画としてベストセラーに。

阪神・西岡のケガで改めて感じた 10億円がパーになるプロ野球の恐ろしさ

公開日: 更新日:

 3月の巨人戦で阪神の西岡が守備の際に大ケガを負った。試合が止まり、救急車が入った。プロ野球の世界の厳しさ、恐ろしさを改めて感じた。

「グラゼニ」は当初、自営業者に向けて「自営はつらいよ」という意味合いを込めて描き始めた。私も漫画家で自営業者だが、プロ野球選手になれる人はものすごく限られている。毎年、ドラフトで70人ほど入ってきて、同じ数がクビになる。現役の平均年数は7~8年。10年もメシを食えない。

 ダルビッシュのようなスター選手を主人公にするのではなく、年俸1800万円、高卒プロ8年目の中継ぎ投手・凡田夏之介を主人公にした。プロ野球界の底辺を描くことでその厳しさを伝えたかった。

 そうなると、おカネの話は避けて通れない。プロ野球は年俸5億円の選手と500万円の選手が同じグラウンドで戦う。作中、夏之介は先発ローテ入りをかけた試合、自ら二塁へ走者をタッチにいき、クロスプレーで右手を骨折するシーンがある。一軍半の立場で、ここで負ければ二軍に落とされるかもしれない。ケガというリスクを背負って、人生をかけてアウトを取りにいく。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?