<第12回>「龍太に何もしてやれなかった分、翔平にはしてやろうと」
しかし、徹の勤務する会社が硬式野球部を立ち上げることに。
「社員として、仕事をやりながら硬式をやってみないかという話があったのです。野球をやめても、そのまま会社に残れるし。強制はしませんでしたけど、こんな話もあるけどどうする? と。おそらく将来のことも考えたんでしょう。帰ることにすると……」と加代子は話す。
その龍太はいま、徹と同じ会社に勤務しながら白球を追っている――。
(つづく=敬称略)