<第28回>菊池雄星を超えるために花巻東を選んだ

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憧れていたわけではない(C)日刊ゲンダイ

 大谷の父・徹(52)はこれまで、3人の子供たちの進路に関して、口を挟んだことがないという。

「僕はこっちに行けとか、そういうことを言ったことがない。本人たちに任せています。最初の高校進学もそうでした。入れる、入れないはあるにせよ、(3人とも)自分の好きなところには行ったと思います。後になって、やりたいことがあったのにやれなかったというのはよくない。何かをやってみるうえで、まず、やること。後悔はしないことが大切だと思うので」

 大谷に関してもそうだった。野球以外の教育に力を入れ、甲子園を狙えて、人数が多くて埋もれてしまう可能性のある都会でない学校がベストという父親なりの希望はあったにせよ、だから花巻東に行った方がよいとか、行くべきだと道をつけたわけではない。最終的に決めるのはあくまでも本人。後悔しないためにも、自分の道は自分で決めなさい。その代わり、自分で選んだからには、選んだことに関して最後まで責任を持ちなさいというスタンスだった。父親の考えが子供にまったく影響しないということはないにせよ、花巻東への進学は本人の意思と父親の考え方が、たまたま一致したに過ぎない。

 大谷が水沢南中学3年時、花巻東が世間に与えたインパクトは大きかった。左腕の菊池雄星(現西武)を擁して甲子園の春の選抜準優勝、夏もベスト4に入った。

 大谷は菊池に憧れて、花巻東に進んだともいわれる。しかし、大谷が花巻東を選んだのは、地元のヒーローに憧れたからではない。

 水沢南中学時代、大谷と同じクラスだった渡邊洸大が当時を振り返ってこう言った。

「僕たちが中3のとき、菊池雄星が甲子園で活躍して、話題になった。そのとき大谷が言ったんです。 

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【連載】秘話 大谷翔平「二刀流の血脈」

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