ハム栗山監督悔い残る“迷采配” 「中継ぎ大谷」出し惜しみ敗戦
日本ハムの栗山監督は打つ手が早いことで知られる。先発だろうと調子が悪ければ序盤で見切りをつけたがるし、ベンチに代打の切り札がいれば中盤でも積極的に送り出す。使える戦力をベンチに温めたまま負け、あそこで使っておけば良かったと後悔したくないからだそうだ。ときに“勇み足”になることはあっても、それが持ち味のはずだった。
だとすれば解せないのが前半戦最後の試合となった15日、ソフトバンクとの首位攻防戦での大谷の起用法だ。
勝てば6連勝で、ゲーム差は1.5。だからこそ総力戦と、大谷を1試合限定で中継ぎ登板させる予定で、実際、ブルペンで準備させた。が、出番はほぼ敗戦の決まった九回裏。それも1死走者なしの場面で、代打での起用だった。
「終盤に勝ち越したら使うつもりだったが、ビハインドなら打者でいくと決めていた」
試合後の栗山監督はこう話したが、日本ハムは五回に勝ち越し。この直後か、六回、同点に追いつかれた後こそ勝負どころではなかったか。他のリリーフ陣をつないで終盤の勝ち越しを迎えられればベストでも、その前に試合を引っ繰り返されては意味がない。
大谷を終盤まで出し惜しんだがゆえに、投入のタイミングを逸してしまった。計算できて、なおかつ流れを変えられる右腕を登板させないままチームは逆転負け。ソフトバンクとの差はまたしても3.5に広がり、前半戦を折り返すことになった。栗山監督にとって、最も後悔する敗戦だったに違いない。