終わらないトランプ関税交渉…踊らされる赤沢大臣、土壇場の訪米中止の深層と日本の今後
ざわ……ざわ……。日米間で合意したはずの関税協議に再び不穏な空気が漂い始めた。交渉役の赤沢経済再生相は28日から3日間の日程で10回目の訪米を予定していたが、出発直前になってまさかの取りやめ。合意内容をめぐり、米国との間に横たわる「圧倒的齟齬」を解消できるのか。ますます見通せなくなってきた。
■「議論すべき点」こそが鬼門
赤沢大臣は出発前日の27日、会見で訪米日程を発表。「相互関税に関する大統領令を修正する措置をとるよう、また自動車・自動車部品の関税を引き下げる大統領令を発出するよう強く申し入れる」と意気込んでいた。現状、15%が上乗せされた相互関税の修正も、自動車関税の引き下げ時期も依然として不透明のままだ。
28日の会見で林官房長官は、訪米中止について「事務的に議論すべき点があることが判明したため」と説明。随分サラッと言ってのけたが、まさに「議論すべき点」が鬼門である。
そもそも今回の訪米の目的は、対米投資5500億ドル(約80兆円)に関する合意文書の作成について協議するためだった。日本からの投資を着実に実行したい米側が求める文書作成に応えつつ、一方で相互関税の修正と自動車関税引き下げの早期実現の「確約」を米側に迫る算段だった。
ところが、引き下げ実施の大統領令の発令時期をめぐって日米間のミゾは埋まらず、土壇場の訪米中止が決定。赤沢大臣のカウンターパートである「ラトちゃん」ことラトニック商務長官が25日の米FOXニュースで予告した「日本との合意発表」に関しても、文言調整などに時間がかかっているとみられる。外務省や経産省、財務省の担当幹部は予定通り訪米し、詳細を詰める。今後、赤沢大臣が改めて訪米するかどうかは未定だ。