対米80兆円投資「言いなり文書」作成…関税合意“口約束”の大き過ぎるツケ、ますます深まる従属姿勢
〈任務完了しました〉――。日米関税合意を受け、交渉役である赤沢経済再生相が自身のXに、そう投稿してから早1カ月。合意内容を巡る日米間の溝は深いまま、赤沢はきょう(28日)から30日までの日程で訪米する予定だったが、今朝になって急きょ取りやめ。今後の詰めの交渉は前途多難だ。
■「共同文書を作るメリットは米側に」
赤沢大臣は27日の会見で、訪米の目的について「可及的速やかな相互関税の修正措置、自動車関税の引き下げを強く申し入れる」と説明。税率15%を「上乗せしない」という相互関税の特例措置の実施と、いまだ発動時期の分からない自動車関税15%への引き下げを求めるはずだった。ところが、出発直前になって事務的に確認すべき事項が判明したとして、急きょ訪米を中止した。
今後の焦点は、米側の関税引き下げの見返りに日本側が約束した対米投資5500億ドル(約80兆円)に関する文書作成だ。赤沢大臣は合意履行を優先して「今、文書を作るとまずい」と説明してきたが、日本からの投資の着実な履行を担保したい米側の意向を踏まえ、方針を転換。26日の閣議後会見では「共同文書を作ることにメリットを感じるのは、日米間どちらかといえば、米側だと思います」と、言いなりの様子だった。