異常すぎる兵庫県政…初めて出席した定例会見での斎藤元彦知事には、表情がなかった
昨秋の出直し選挙を経ても依然、混乱が続く兵庫県政。8月26日、日本中学生新聞の川中だいじ記者が、初めて斎藤元彦知事の定例記者会見に出席し、現状への知事の考えを問うた。川中だいじ記者のリポート──。
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「斎藤知事お願いがあります」
8月26日、夏休み最後の火曜日。ぼくは斎藤元彦兵庫県知事の定例記者会見に出席し質問をした。斎藤氏に質問をするのは、兵庫県知事選挙以来9カ月ぶりだった。昨年11月の斎藤氏の出直し選挙となった兵庫県知事選挙では、立花孝志氏(政治団体「NHK党」党首)が当選を目的としない立候補をし、実質、斎藤氏を応援する『2馬力選挙』を行ったことで、情勢調査では有利であった稲村和美氏(前尼崎市長)を破り再選。11月19日より2期目の斎藤県政がスタートした。しかし、県政の混乱は収まることなく、その後も続いている。
兵庫県知事選挙後の12月、学校が冬休みに入ったタイミングで、兵庫県知事定例会見に出席したいと兵庫県に連絡をし、実績を送った上で審議してもらったことがある。しかし、日本新聞協会や日本雑誌協会、日本インターネット報道協会などに加盟している社への署名入り記事がないことを理由に断られていた。悔しかったぼくは、その後、知人の紹介や自らの売り込みよって今年7月の参議院選挙の最中に日刊ゲンダイDIGITALに記事を寄稿したことで、兵庫県が提示している条件を無事にクリアした。
■知事会見への出席を希望すると「誹謗中傷を受ける危険性がある」
しかし、兵庫県が提示している条件が整っているにも関わらず、ぼくが定例会見に出席することはすぐには許されなかった。記者クラブによる審議が何日も続いたのだ。理由は、未成年であることだった。兵庫県知事定例会見に出席することによって「過度な誹謗中傷を受ける危険性がある」ことや「家や学校が特定され、SNSにさらされたり自宅に来る危険性がある」ことなどを心配し、会見出席が決定する最後の最後まで警告が促され、出席が決まったのは会見前日だった。
これまで記者として、会見には何度も出席をしたことがあるが、警告が出されたことは初めてだった。つまり、暴力による言論封殺が行われている、それほど異常な状態であるということだ。
斎藤知事は、選挙中に何度も「子どもたちのために」という言葉を使い演説をしていた。選挙最終日のグランドフィナーレと銘打った三宮センター街一丁目前での街頭演説後には、ぼくの取材に「あなたみたいにね、政治に関心を持ってくれる若者が増えたと言うことがね、一番嬉しいですね。ありがとう」と言っている。その言葉に嘘がないならば、ぼくの質問に真摯に答えるはずである。