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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

芸人ミッチェルさんは47歳で他界…「子宮体がん」不正出血はすぐに婦人科へ

公開日: 更新日:

 音楽家で芸人のミッチェルさんが、子宮体がんで亡くなったと報じられました。享年47。昨年1月にステージ4bと診断され、リンパ節にも転移していたそうです。それでも気を取り直して前向きに活動を続けていたものの、7月8日のラジオ出演を最後に、8月18日に息を引き取ったといいます。

 子宮には、入り口の頚部にできる子宮頚がんと、その奥の子宮内膜にできる子宮体がんがあります。発生する部位が違うだけでなく、まったく別物です。子宮頚がんはヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因で、子宮体がんは女性ホルモンのエストロゲンが大きく関係しています。

 HPVは性交渉によって感染するため、子宮頚がん発症のピークは初体験の低年齢化によって30代後半に。一方、晩産化と少子化によって女性ホルモンの影響を受ける期間が長くなっているため子宮体がん発症のピークのひとつは、閉経近くの40代後半にあります。

 国のがん検診で調べるのは、子宮頚がんです。所属する吉本興業FANYマガジンによると、ミッチェルさんは3年前から痛みや不正出血があって、婦人科で子宮がんの検診を受診し、「子宮がんは大丈夫」と言われて安心していたそうですが、当時は子宮に2つのがんがあることを知らずに、その医師の言葉で安心してしまったそうですが、後からその検診が子宮頚がん検診だったことに気づいたといいます。この勘違いが診断を遅らせた可能性は、否定できないでしょう。

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