<第5回>出場確実だった2年のセンバツは辞退。3年夏は…
高校時代の話をもう少し続けよか。
1年秋からエースで4番の俺は肩壊して調子が上がらんこともあったけど、ほんとうなら2年生の春の選抜は行けるはずだったんだ。が、これもある「事件」でダメになった。
1年秋の近畿大会で、北陽はベスト4まで進んだ。当時は近畿地区のレベルが高かったので、毎年6~7校は選抜大会に出ていたから、そら絶対行けると思うわな。
新年になって北陽のサッカー部が全国制覇したもんやから、野球部も「次は俺たちだ」と思ってたところに「悲劇」が起こった。
1月11日、応援団が選抜甲子園に向けて練習を開始したその日だった。団旗にシワがあったとかで、1年生部員が上級生にポカッとやられたらしい。大ケガしたわけやないけど、ちょっと出血したんで一応救急車で病院に行った。殴られた生徒の親父さんはタクシーの運転手やった。母親が会社に連絡して、タクシー会社は無線で父親に状況を説明したそうや。
「息子さんが上級生に殴られて、救急車で病院に運ばれた」