悲願の初V琴勝峰“らしくない”強気相撲はケガの功名…大関・横綱級の大器が「ひたすら前に出て攻めた」理由
師匠、家族、そして今場所新入幕の弟の前で、自身初の賜杯を掴んだ。
2敗の琴勝峰(25)と3敗の安青錦(21)、草野(24)の平幕3人が最後まで優勝争いを繰り広げた7月場所。千秋楽の昨27日は琴勝峰と安青錦が対戦。3人による巴戦の可能性を残す中、琴勝峰が安青錦を突き落とし、本割で優勝を決めた。
インタビューでは、「まだ感情が追いついてない感じで……でもうれしいです」と話すと、家族については「(会場の)どこにいたかはわからないけど、いい姿を見てもらえたかな」と感慨深げ。6勝9敗で負け越したものの、今場所新入幕で奮闘した弟の琴栄峰についても「とても刺激をもらっています」と話した。
2歳年上の兄弟子である大関琴桜とは、小学生時代に地元の柏市相撲スポーツ少年団で同じ釜の飯を食った仲。その頃から将来は佐渡ケ嶽部屋で力士になる夢を持っていたという。
相撲強豪校の埼玉栄高3年時の2017年11月場所で初土俵を踏み、所要12場所で十両昇進。十両も3場所で通過し、当時から「素質は大関・横綱級」と期待が高かったが、最高位は前頭3枚目。まだ三役にも届いておらず、今場所も前頭15枚目だった。
「琴勝峰は体が柔らかく、四つ相撲も押し相撲もできる万能タイプ。土俵際での粘りも持ち味とはいえ、これまでは無理に粘って不用意な体勢で落ちてケガ、というケースが多かった」(若手親方)