著者のコラム一覧
岡田彰布野球評論家

57年大阪生まれ。北陽高(現関西大学北陽高)から早大へ進み、78年秋三冠王で優勝に貢献、79年春連覇。同年ドラフト1位で阪神入団。85年日本一。94年オリックス移籍、95年現役引退。オリックス二軍助監督兼打撃コーチ、阪神二軍監督を歴任。03年一軍内野守備コーチでリーグ優勝。04年一軍監督就任、05年リーグ優勝。08年退任。10年オリックス監督就任、12年退任。

<第5回>出場確実だった2年のセンバツは辞退。3年夏は…

公開日: 更新日:

 そんな連絡だったのとちゃうかな。その無線をNHKがキャッチしたらしい。

 野球部員はトラブルについては何も知らなかった。俺は翌日、いつものように朝6時に大阪城の周りをランニングして家に戻った。テレビで7時のNHKニュースが始まると、「北陽高校で傷害事件」って出たからビックリよ。

 学校へ行くと、とりあえず野球部は1週間練習休みになった。これはうれしかったね。初めてやからな、そんなに長いこと練習しなくていいのは。でも、喜んだのは1日か2日のこと。北陽は選抜出場が決まる前に高野連に辞退を申し入れた。

 そらショックやし、がっかりもしたけど、俺は前年の夏に甲子園出てたからな。この一件で新2年生約200人のうち、30人ぐらいが退部した。レギュラーも数人辞めたな。野球部の不祥事ではないのにそんな時代やった。

 3年の夏はチャンスだった。この年の大阪は、明星と近大付属の実力が抜けていた。甲子園に行けるとは思ってなかった。俺はやっぱりエースで4番よ。興国との決勝戦はゲーム中盤まで0-0。七回表、2死二、三塁のピンチを迎えた時、ベンチから「歩かせ」のサインが出た。次の8番打者は3割打ってるが、9番は1割打者やったからな。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  2. 2

    ソフトB近藤健介の原動力は「打倒 新庄日本ハム」…憂き目にあった2022年の“恩返し”に燃える

  3. 3

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  1. 6

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  2. 7

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  3. 8

    藤浪晋太郎に日本復帰報道も、古巣阪神出戻りは「望み薄」…そして急浮上する“まさか”の球団

  4. 9

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 10

    自民・鶴保失言「運のいいことに地震」で苦戦の二階ジュニアに赤信号…参院選“仁義なき紀州戦争”決着か