初先発は5回2失点降板…マリナーズ岩隈の成否は直球次第

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 開幕早々、不安がささやかれている。

 マリナーズ・岩隈久志(34)が5日(日本時間6日)のレンジャーズ戦に今季初登板。5回を6安打2失点。同点の場面で降板し、勝敗は付かなかった。この日は4四死球と持ち味である制球力を欠いた。四回にはキレのない変化球を狙い打たれて2点を失った。

 岩隈はエース右腕ヘルナンデスとの二枚看板として先発陣を支えるが、これでは期待を裏切りかねない。12年の渡米以来、年々、投球が単調になり、変化球偏重になっているからだ。

 米国の野球専門データサイト「ファングラフス」によれば、岩隈の平均球速は12年の90.3マイル(約145キロ)をピークに88.9マイル(143キロ)まで低下。球威がないからか、毎年のように直球よりも変化球の割合が増え、直球の割合はサイ・ヤング賞の最終候補3人に残った13年こそ53%だったが、昨季は49%だった。直球に代わってスプリット、シンカー、カーブの割合が年々、増えているのだ。

 球威の衰えは仕方がないとしても、スプリットを生かすのであれば、シンカーよりも直球が重要になる。相手打者のタイミングを外すには直球を使って緩急をつける必要があるからだ。同じように球威のないレッドソックス・上原は直球を見せ球にしてスプリットを効果的に使って打者を打ち取っている。

 岩隈は昨季開幕直後に首と背中の間にある僧帽筋を痛めて長期離脱を強いられた。僧帽筋を痛めるのは速球派が多いとされる。岩隈は技巧派とはいえ、僧帽筋に不安があって直球が投げられないとなれば事態は深刻だが……。

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