育成そっちのけ ラグビー日本代表候補に透ける“拝金主義”

公開日: 更新日:

 昨年のメンバーと顔ぶれに大差はなかった。

 ラグビー協会は10日、6月に計3試合行うカナダ代表戦、スコットランド代表戦の日本代表候補43人を発表。昨年のW杯で得点源となったFB五郎丸歩(30=現レッズ)、主将を務めたリーチ・マイケル(27=現チーフス)ら昨年のW杯メンバーから19人が候補に名を連ねた。

 今年2月に就任したジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチ(HC)に代わって指揮を執るマーク・ハメット・サンウルブズHCは人選について「19年日本W杯に向けた強化の第一歩」と説明したが、3年後の主力を担うはずの世代からは4人の大学生が入っただけだった。

 昨年のW杯メンバーが中心なのは、ジョセフHCの方針もあったとはいえ、ラグビー協会が集客をアテにしたともっぱら。W杯史上初の3勝をマークした代表選手が出場しなければ、チケットの売れ行きに影響しかねないからだ。

 スーパーラグビーとの日程の兼ね合いはあるものの、日本代表の薫田真広ディレクター(GMに相当)によれば、敵地での6月12日のカナダ戦は若手主体。ベストの布陣で臨むのは日本で行うスコットランド戦(同18日=豊田スタジアム、同25日=味の素スタジアム)の2試合のみになるという。

 当の五郎丸はレッズでスタメン出場がわずか1試合。出場機会に恵まれないだけに「とにかく試合に出たい」と前向きに話しているという。五郎丸に代表入りを伝えた薫田ディレクターが「日本での立場をよくわかっている」と話すのも当然か。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    スポーツ界に時代錯誤の事案が多発する根本原因…新聞社後援イベントは限界と危うさを孕んでいる

  2. 2

    GPシリーズ初戦SP、坂本花織は2位発進も…集大成の今季に待ち受ける茨の道

  3. 3

    出雲駅伝7位完敗の青学大・原監督に直撃「ばけばけ大作戦の点数? 0点でしょう!(苦笑)」

  4. 4

    JOC山下泰裕会長の療養離脱からはや1年…三屋裕子代行でも“無問題の大問題”

  5. 5

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  1. 6

    広陵高の暴力問題が話題だが…私は世羅高3年で主将になって、陸上部に蔓延する悪習を全て撤廃した

  2. 7

    柔道五輪金メダリスト・松本薫さんは2週に1度ファミリーフィッシングで堤防へ「胸の奥には大物への渇望がくすぶっています」

  3. 8

    テニスの団体戦を愛するキング夫人はドジャースの共同オーナー 大谷獲得でも猛プッシュ

  4. 9

    大惨敗に終わった世陸を「トリプルミッションの好循環」(勝利、普及、資金)の観点から考えた

  5. 10

    “ミスター・ラグビー”と呼ばれた松尾雄治さん 西麻布で会員制バーを切り盛り「格安なので大繁盛だよ」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」