日大アメフト騒動の一因 スポーツ界にはびこる“軍隊の掟”

公開日: 更新日:

 特殊な「事件」とは言えないようだ。

 社会問題にまで発展している日大アメフト部員による関学大QBへの悪質なタックル。あの映像をテレビで見て、身の毛がよだつ思いをした人は少なくないだろう。

 無防備なQBに対する背後からのタックルは、日大の内田正人監督の指示で行ったとの報道もある。全治3週間のケガを負わせた日大の選手は、すでに退部を決意しているそうだが、監督の命令で危険なタックルに及んだのであれば、彼もまた「被害者」のひとりかもしれない。

 早大スポーツCSR研究会の松野弘会長は「今回の事件は、日大のアメフト部だけの問題ではなく、根性論でやってきた日本のスポーツ界が長年抱えている構造的な問題といえる」と、こう続ける。

「学校の部活動は近年、選手の自主性を尊重する指導者も増えてきているが、指導者の指示には絶対服従という厳しい上下関係が根強く残っている。監督やコーチの言うことを聞かなければ試合に使ってくれないのなら、選手は自分の意思にかかわらず指導者の言いなりにならざるを得ない。その関係性は軍隊と同じです。軍隊はたとえ上官の指示が間違っていても、軍律で兵士を動かします」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に