日大アメフト騒動の一因 スポーツ界にはびこる“軍隊の掟”

公開日: 更新日:

■「ヤツのタマとってこいや!」

 乱闘劇が珍しくなかった昭和のプロ野球も、監督やコーチから危険なプレーを命じられた時代があった。自軍の4番や好調な打者がチャンスで死球を受けると、報復として敵の4番にぶつけることはよくあった。

 気性の激しいことで知られる監督などは「ヤツのタマとってこいや!」と自軍の投手に頭部死球を命じたこともあったという。「頭部を狙って150キロの速球を投げることは、まさに殺人行為だが、監督の命令に背けば出場機会を失うから、目をつむって打者の背中に当てた」というOBもいる。

 一方で、こんなスポーツ界で育った学生が企業から歓迎されている事実もある。前出の松野氏が言う。

「スポーツの強い大学の体育会に所属している学生は就職先がすぐ決まる。運動部でしっかり教育されているので、上司の言うことには反論せず、会社としては使いやすいからでしょう。日大のアメフト選手の事件にしても、試合に出たい、監督に使ってもらいたいという気持ちは理解できるものの、仮に監督の指示でも、危険なタックルをすれば相手は大ケガするかも知れないということは容易に想像できる。その思考をやめてしまうのが、スポーツにおける絶対服従の関係なのです」

 スポーツ庁の鈴木大地長官は、「危険なプレーを容認するわけにいかない」と言ったが、このような事件が起こる土壌があることを認識し、スポーツ界に対し、しっかりと対策を取るべきだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  5. 5

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方

  1. 6

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  2. 7

    突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

  3. 8

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  4. 9

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  5. 10

    平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?