挨拶回り、イベント出演…新大関・栃ノ心を待ち受ける試練

公開日: 更新日:

 前場所のような強さを発揮できるか、それとも……。

 13日、新大関の栃ノ心(30)が7月場所(7月8日初日)に向けて稽古を開始。里帰りしていた母国ジョージアから12日に再来日したばかりとあって、四股やすり足などの基礎に時間を割き、ぶつかり稽古で幕下力士らに胸を出した。

「少しずつ、汗をかいていく」

 と話した栃ノ心。新大関として臨む7月場所に期待がかかるものの、そううまくいくかどうか。

 大相撲が年6場所制になった1958年以降、新大関で優勝したのは白鵬を含む4人だけ。8勝7敗だった豪栄道鶴竜日馬富士のように、期待に応えられなかった力士も少なくない。昨年昇進した高安も、角界では「一気に横綱昇進もあるぞ」と言われながら、終盤に連敗して9勝6敗という平凡な結果だった。

 ある親方は「体調管理が課題になる」と、こう話す。

「大関昇進となれば、お座敷も増えるし、メディアやイベント出演の声もかかる。もちろん、そうしたもろもろのオファーは断ってもいいが、それまで世話になった人たちや部屋の太い後援者らへの挨拶回りは欠かすわけにはいかない。相撲協会の公式イベントも断るわけにはいきません。当然、稽古の時間が減るので、調整は難しくなる。その上、慣れないイベント出演などが続けば、体調にも影響が出かねない。特に本場所直前の番付発表直後は、イベントやメディアへの出演依頼が集中しやすい。初めて大関として番付に名前が載るわけですからね。最低限の露出にとどめても、稽古に何らかの支障は出る。どの大関もたどってきた道なので、仕方ないといえば仕方ない」

 栃ノ心は先場所中に負傷した右手首が完治しておらず、まだ相撲は取れない。本人も「目標は2ケタ勝利」と、話している。

 過度な期待は禁物か。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗