ひとり無傷の8連勝 大関とり栃ノ心は“謙虚”と“品位”が課題

公開日: 更新日:

 怪力無双の栃ノ心(30)が、20日の逸ノ城との巨漢対決を制し、ストレート給金を決めた。

 力勝負になった大一番は、実に50秒近い熱戦。逸ノ城に吊りかけられる場面もあったが、下手投げを打ちつつもろ差しになると、じわじわと寄り切った。ただ一人全勝をキープして大関昇進どころか、自身2度目の優勝も見えてきた。

 とはいえ、栃ノ心が大関として申し分ないかというと、話はまた違ってくる。ある親方は「強さは十分。足りないのは心技体の『心』です」と、こう続ける。

「7日目、遠藤に不戦勝で勝ったときに『早かったね。いい相撲だったでしょ』と話していた。不戦勝でスピード決着という栃ノ心なりのジョークだろうが、遠藤だって好きでケガをしたわけじゃない。それをちゃかすような発言はいただけませんよ。遠藤にすれば、バカにされたように感じるかもしれません」

 栃ノ心は不戦勝の翌日、遠藤を「心配だね」と気遣った。この発言があったから救いはあるものの、

「そもそも力士は謙虚でなくてはいけない。大関になろうというなら、なおさらです。栃ノ心は先場所、低く当たる遠藤に苦戦していただけに、勝ちを拾って安堵したのかもしれない。が、そこはウソでも『遠藤と戦いたかった』と言うべきだった」

 とは前出の親方。力士としての品位を問われるのはもちろん、今後も対戦するであろう相手の神経を逆なでして得なことはひとつもない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗