社会科教諭で副校長も兼務 近江・多賀監督に苦労を聞いた

公開日: 更新日:

 ――それでは野球に身が入らなかったのでは。

「だから、指導者になってからは『大人の都合で子供たちが振り回されることだけはないようにしよう』と心掛けています。きちんと互いに信頼関係を築かないといけない」

 ――監督は学校の副校長も兼任している。指導の時間も、副校長としての仕事に割かれるのでは?

「それがそうでもないんです。私が副校長になったのは、近江が夏の甲子園で準優勝した翌年の02年からです。滋賀県だけの話ではありませんが、田舎は公立志向が強く、特に私立は生徒確保の争いが激しい。さらに少子化問題でしょう。近江は野球がひとつの看板。確かに野球部志願の子は多いが、それ以外の一般生徒が問題です。そこで理事長が、看板でもある野球部の監督に肩書をつけた方が、広報活動もうまくいくのではないか、ということになった」

■「監督の活動に支障がなければ」

 ――つまり、肩書のみ、と?

「私も悩みましたが、理事長には『野球部の監督としての活動に支障がなければ』とお願いしました。幸い、近江高校野球部監督としての私を知っている方も多かったので、反響は大きかったですよ。私が副校長になった年は、野球部員全員で100人を超えましたから。それはそれで大変でしたけどね(笑い)」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の三振激減がドジャース打者陣の意識も変える…史上初ワールドシリーズ連覇の好材料に

  2. 2

    国民民主党から問題議員が続出する根源…かつての維新をしのぐ“不祥事のデパート”に

  3. 3

    党勢拡大の参政党「スタッフ募集」に高い壁…供給源のはずの自民落選議員秘書も「やりたくない」と避けるワケ

  4. 4

    「ロケ中、お尻ナデナデは当たり前」…「アメトーーク!」の過去回で明かされたセクハラの現場

  5. 5

    注目の投手3人…健大高崎158km石垣、山梨学院194cm菰田陽生、沖縄尚学・末吉良丞の“ガチ評価”は?

  1. 6

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  2. 7

    コカ・コーラ自販機事業に立ちはだかる前途多難…巨額減損処理で赤字転落

  3. 8

    巨人・坂本勇人に迫る「引退」の足音…“外様”の田中将大は起死回生、来季へ延命か

  4. 9

    高市早苗氏の“戦意”を打ち砕く…多くの国民からの「石破辞めるな」と自民党内にそびえる「3つの壁」

  5. 10

    「U18代表に選ぶべきか、否か」…甲子園大会の裏で最後までモメた“あの投手”の処遇