4番岡本がプロ初犠打…巨人・原監督“鬼采配”に評価と反論

公開日: 更新日:

 巨人OBで評論家の高橋善正氏がこう言う。

「球宴前に独走態勢を築いたのは、少なからずこういった厳しい采配が奏功しているとは思います。この日の九回の守りでも、2死から田口を登板させたり、少しでも確率が高い起用、勝つためのなりふり構わない采配を貫いている。だらしないセの5球団の監督は、ここまで厳しく采配できない。ただ、OBとして残念なのは、4番岡本に送りバントのサインを出したことです」

 岡本は左膝に受けた自打球の影響もあり、6日のDeNA戦のスタメンから外れるなど本調子ではない。9日現在、打率は.248。高橋氏が続ける。

「1点リードの無死一、二塁。状態が悪い、どうしても1点が欲しいからバント、では他の打者と同じ。本当に1点が欲しい場面で4番がやるべきことは、打って走者をかえすこと。本来の仕事は犠打や進塁打じゃないはずです。調子が悪くても乗り越えさせないと、本当の4番打者にならないでしょう。原監督は5年ぶりのリーグ優勝奪回の使命を受け、FAで丸など40億円といわれる補強費を使った。一方で3度目の監督の仕事には『生え抜きの4番の育成』も含まれるはずです。これでは『巨人の4番は軽い』と内外に知らしめるようなもの。昔の話になるが、私が選手だった頃、就任1年目の長嶋監督が4番のジョンソンに送りバントのサインを出して、みんなひっくり返ったのを思い出しました。チームの雰囲気が悪くなり、その年は最下位。原監督の前政権の後、監督を引き継いだ高橋由伸がなぜ苦しんだのか。補強の連続で選手育成が進んでいなかったからでしょう。近年の巨人ではズバぬけた実績を残しているからこそ、原監督には次の世代のことまで考えた采配、用兵をしてもらいたい」

 勝てばいいんだろう、では次の監督がまた苦労する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」