新人がアマ時代より遙かに強くバットを振り回していたのが気になった

公開日: 更新日:

 新人の自主トレを見に行ったときのこと。オレのすぐ近くでティー打撃を繰り返す2人の大学生野手を見て、アレッと思った。

 担当スカウトによれば、ともにシュアな打撃が持ち味。コンパクトなスイングで広角に安打を量産するタイプで、アマ時代の映像を見ても、力感のない素直な打撃フォームが評価されたことが分かる。なのに、やたらと強くバットを振り回していた。まるで本塁打を狙うようなスイングだったからクビをかしげたんだ。

 打撃コーチは遠巻きに見ていたし、首脳陣が視察していたから力んだという感じではない。かといって、担当でもないのに本人たちに聞くのも気が引ける。で、そばにいた部長に「あの2人はあんなに振り回す選手でしたっけ?」と水を向けると、「オレもさっきから気になってたんだ。体づくりの一環と割り切って振り回してるなら構わない。けれども、プロに入ったんだからこれまでとは違う、力強いスイングをしなければならないと思ってやってるとしたらよくないな」と、こう言った。

「パワーヒッターならともかく、もともとシュアな打撃が売りの2人が、プロなんだし、長打を打たなきゃいけないと考えてるとしたら大間違い。長所をなくしちまうことになるからな。本来ならコーチがクギを刺すべきだが、自主トレ期間中だし、そうもいかない。なので担当スカウトが本人に、どういう意図でティー打撃をしているのか確かめたうえで、勘違いしてるようなら打撃コーチと相談してから本人にアドバイスした方がいい」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因