著者のコラム一覧
権藤博野球評論家

1938年12月2日、佐賀県鳥栖市生まれ。鳥栖高からブリヂストンタイヤを経て61年に中日入り。1年目に35勝19敗、防御率1.70という驚異的な成績を挙げ、最多勝や沢村賞などタイトルを総ナメに。連投に連投を重ねる姿に「権藤、権藤、雨、権藤」の流行語が生まれた。68年に現役引退後は各球団の投手コーチを歴任。横浜で初の監督に就任した98年にはいきなりペナントを制し、38年ぶりの日本一に導いた。

盟友・高木守道氏を悼む 今も耳に残る「パチン!」の音

公開日: 更新日:

 選手としては、「超」のつく天才だった。

 17日に78歳で亡くなった高木守道氏とは、現役時代に中日で同じ釜の飯を食った間柄。私の3歳下で「権藤さん」「守道」と呼び合った。

 地元名古屋のテレビ局関係者から訃報を知らされたときには、しばらく言葉を失った。昨年10月に亡くなった金田正一さんと守道は、私にとって「死」をイメージできない人間だった。それだけ傑出した選手だったし、大きな故障や病気とも無縁だった。私よりずっとずっと長く生きるのだろう。自由で、気ままで、思うがままにという性格も、そう思わせた。

 振り返ると、まず思い出すのが「パチン!」という小気味のいい音だ。投手として肩を壊した私は、入団5年目に内野手に転向、三塁や遊撃を守って、守道と二遊間を組むようになった。投手としても、ファインプレーをファインプレーに見せない堅実な守備に何度も助けられたが、同じ内野手になって目の当たりにした守道のプレーは、レベルが違った。

 特に驚いたのが、どんな打球もグラブの芯で捕るハンドリング。イレギュラーの打球でも、それた送球でも、すべて芯で捕るから彼のグラブからは必ず「パチン!」という音がした。そして、捕ったときにはもう、球が右手にあって、スローイングの体勢に移っている。遊撃のポジションから見ていて、惚れ惚れするほどだった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  1. 6

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  2. 7

    投手大谷の「オープナー起用」は逆効果…ド軍ブルペンの負担は軽減どころか増す一方

  3. 8

    "花田家と再婚"は幸せになれる? 元テレ東・福田典子アナに花田優一との熱愛報道も…恋多き一族の因縁

  4. 9

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  5. 10

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”