武田薫
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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

スポーツの社会貢献を阻む日本の旧態依然なアマチュア体質

公開日: 更新日:

■コーチをにらむたびに100ドル

 ナダルとフェデラーが2人で25万豪ドル(約1850万円)はともかく、女子の4強に入ったハレプはコーチをにらむたびに100ドルと約束、準決勝まで100回にらんだと自己申告して1万ドル寄付した。

 驚いたのはアレキサンダー・ズベレフだ。期待されながら4大大会で結果を出せなかった22歳は、「1勝ごと1万ドル、優勝したら賞金を全額寄付する」と発言した。優勝賞金は約3億1000万円だ。初のベスト4に進出したコート上で、寄付の詳細を確認するインタビュアーのマッケンローへの答えに会場は涙を流した。

「ぼくにも大金です。でも、お金は銀行に置いておくものじゃない、世の中を変え、良いことをするために使うものだと親に教えられてきました」

 ズベレフは準決勝で敗れたが、セカンドサーブを時速210キロで叩く“ダブルファースト”で戦う姿に割れんばかりの拍手が寄せられた。キリオスは大会最高の150本(単複)のエースを決め、大会の寄付金総額は581万8861豪ドル(約4億3000万円)だった。

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