著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

15歳に敗れた大坂「スポーツマンシップ賞」の特殊メンタル

公開日: 更新日:

 テニスの4大大会の第1弾、全豪オープンは佳境に入った。今回、錦織圭は故障欠場。昨年の覇者で第3シードの大坂なおみは、3回戦で15歳のコリ・ガウフ(米国)に敗れ、トップ10陥落の可能性も出てきた。

■「ひとりで泣いちゃダメ」

 因縁のライバルになるかも知れない。昨年の女子ツアーの話題のひとつがガウフの出現だった。ウィンブルドンで2回り先輩のビーナス・ウィリアムズを倒して華々しくデビュー。続く全米3回戦ではディフェンディングチャンピオンの大坂と対戦し、ここでは大坂が圧倒した。問題はその後。半泣きの15歳に「ひとりで泣いちゃダメ、みんなの前で一緒に話そう」と姉のような優しさを見せ、とっさの思いやりが絶賛されてスポーツマンシップ賞も贈られた。

 今回、同じタイトル防衛の舞台でリベンジを食らったわけだが、相手も既に世界67位、下克上の激しいツアーでは必ずしも大番狂わせでもない。ただ、3―6、4―6の敗戦内容にメンタル面の疑念が再浮上した。

 大坂なおみは特殊な女王だ。ツアー通算5勝の内訳が、グランドスラム2大会、それに次ぐ規模のプレミアマンダトリー2大会、プレミア1大会(東レPPO)と大舞台ばかり。40位台から1年で頂点に躍り出た先例はなく、トップ選手すべてに勝っている。ポイントのデカい大舞台に強いから、負ければ落ちるのも早いのは道理だが、その背景にメンタル面の“特殊性”がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー