著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

不透明な陸上界の一新はマラソン選手会の旗揚げしかない

公開日: 更新日:

 今年の箱根駅伝は未曽有の記録ラッシュになった。10区間の7区間で計13人が区間記録を更新。シードを獲得した10校すべてが総合で11時間を切った。初めて11時間を切ったのは26年前の山梨学院大(10時間59分13秒)。それ以降、複数校が11時間を切った例は2014年の2校と昨年の3校だけだ。

■厚底シューズ効果

 優勝した青学大・原晋監督は「エビデンスはない」と言葉を濁したが、ナイキ社が開発した厚底シューズの効果であることは疑いない。カーボン素材の反発力を取り入れ、軽量化に成功した。2年前に設楽悠太大迫傑が日本記録を更新した際に履いたシューズにはそれなりのトレーニングが必要だったが、現在のシューズはどんな走法にも対応できるという。誰でも使える道具だから文句なしで、仮に世界陸連が規制をかけても、駅伝、まして大衆ランナーにまでは適用できない。マラソンは間違いなく1時間台の勝負になっていく。

 ところが、箱根駅伝の記録は伸びても、2019年のマラソン世界100傑に日本選手は一人もいないのだ。最高が設楽悠の120位(2時間7分50秒=ゴールドコースト)。200位内まで下っても3人で、厚底前と同じ。こと競走に関して言えば、シューズは関係ないことになる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ