“犬猿の仲”の本当の関係 野村監督は長嶋監督嫌いだった?

公開日: 更新日:

 野村監督はテスト生上がり。努力だけで這い上がった。長嶋茂雄野球のエリート、スマートさで抜群の人気を誇り、「逆立ちしてもかなわん」相手だった。それが野村監督の原動力となった。

■嫉妬、敵愾心、自虐

 自分にないものを持つ相手に嫉妬し、その強さが敵愾心を生み、それがバネになった。長嶋茂雄という存在があったからこそ、野村克也は学んで強くなった。生まれ育ちや顔でなく、見えないところで勝ちたい。月見草という自虐は、誇りの裏返しだったと思う。

 長嶋茂雄氏は、野村克也の死に、「野球への底知れぬ愛は、永遠に生き続ける」と弔いの言葉を贈った。「永遠」の中に、実は長嶋さんも、野村さんに、自分の持たないものを見ていた、という気がしてならない。

 巨人軍に「永久に不滅です」という言葉を残した長嶋監督が、野村監督に「永遠に生きる」と別れの言葉をかけた。この言葉を、生前の野村監督はいちばん望んでいたのではないだろうか。


 では、すべての記録を破られた、王貞治との関係はどうだったか。=つづく

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは