著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

64年東京五輪で最終聖火ランナー務めた坂井義則さんの最期

公開日: 更新日:

1964年東京五輪・最終聖火ランナー 坂井義則さん(上)

 1964年10月10日、国立競技場での東京オリンピック開会式。93の国と地域の5000人を超える選手団が入場した午後3時すぎだ。7万4000余人の大観衆が見守る中、最終聖火ランナー坂井義則が右手でトーチを持って競技場に姿を現した。トラックを走り、聖火台への階段を一気に駆け上がった。

「聖火台に立ちます。日本の秋の大空を背景にすくと立った坂井君。燃えよ、オリンピックの火。フェアプレーの精神で競え、世界の若人……」

 NHKアナの北出清五郎がそう実況した際の視聴率は、何と民放局と合わせれば80%を超えた。

 あの日から56年の星霜を経た。生前、坂井は私に当時を語っている。

「組織委員会からは『きれいなフォームで、見栄えよく、3分でやれ』と言われていた。聖火台の下には4機のガスボンベがあり、係員がバルブを開くとガスが上がってくる音がかすかに聞こえる。そこで『やってやる!』という思いでトーチを近づけ、点火したわけだね。後で映像を見たらぼくは笑顔だったし、聖火台からは富士山がはっきりと見えた。あの光景も忘れられない」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到