著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

選手契約の破談は簡単でも解除は困難…例外は禁止スポーツ

公開日: 更新日:

 7月14日にブレーブスがキューバの暴れん坊ヤシエル・プイグ(29)と合意しながら、正式契約の直前に行われた検査でコロナ感染が判明したため入団が見送られた。

 2015年12月には、当時マリナーズを出てFAになっていた岩隈久志が「ドジャースに3年4500万ドル(49億円)で入団!」と報じられたが、契約前に行われた検査でドジャースのチームドクターから、岩隈のヒジの状態を酷評されたため契約は見送られた。

 このように正式契約が交わされるまでは、検査の結果次第で簡単に破談になるが、一度サインすれば、よほどのことがない限り契約を解除されることはない。MLBの労使協約では「選手に反社会的行為やスポーツマンシップに反する行為があったとき」球団は契約を解除できることになっているが、競技者として最低の行為である筋肉増強剤の使用が発覚しても契約解除になった選手は一人もいない。

■選手会の強い抵抗

 アレックス・ロドリゲスが13年に筋肉増強剤の乱用でMLBから1年間出場停止処分を受けた際、ヤンキースあの手この手で契約を解除しようとしたが、選手会の強い抵抗にあい失敗に終わった。そのほかメジャーリーグでは暴力沙汰、麻薬、公務執行妨害、酒気帯び運転などで逮捕される者が毎年何人も出るが、契約解除になった者は皆無だ。ただ本人のひどい不注意や破廉恥行為で球団に迷惑をかけた場合は、年俸が2割程度削られるケースはある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々