著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

分配金バブルが引き起こす球団経営者の「モラルハザード」

公開日: 更新日:

 メジャーリーグは60試合に短縮して23日に開幕するが、米国ではコロナ感染者数が増え続けているため、全試合無観客で行われる可能性が高くなっている。

 30球団の中には無観客になったことで大きなダメージを受けるところと、かすり傷程度で済むところがある。ダメージが大きいのは入場料収入の比率がメジャーで最も高いアストロズカブスである。この2球団は連日満員で入場料収入が総売り上げの43%を占めるため、どちらも無観客になることで2億ドル(約214億円)くらいの損失が出る。

■総収入の10%前後

 一方、軽傷で済むのは入場料収入の比率が低いマーリンズ、オリオールズ、タイガースである。この3球団に共通するのは表に「再建中」の看板を出したまま、選手の補強にカネを使わずに100敗するのを放置していること。ファンに見放されスタンドは閑古鳥が鳴いているため、入場料収入は総収入の10%前後しかない。そのため全試合無観客になっても失うものは少ないのだ。

 経営学的な視点から見たメジャーリーグの特徴は、チームを強くする経営者責任を放棄しているオーナーが多数存在すること。そんな無責任経営者が多くなるのは毎年5170万ドル(約55億円)も支給される全国放映権料の分配金が、彼らのモラルハザードを引き起こしているからだ。

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