著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

トランプが大リーグの始球式を行う意味と過去のトラウマ

公開日: 更新日:

 2018年1月8日にアトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムで行われた全米大学アメリカンフットボール選手権決勝戦の国歌斉唱に登場すると、場内の観客から罵声や怒号を浴びせかけられたことが「悪夢」となっているのだ。

 しかし、現在、大リーグの公式戦は無観客で行われている。これなら、たとえフィールド上に登場しても客席から口笛や笑い声が起きることはない。

 民主党候補のジョー・バイデンに支持率で劣る状況の中で、2004年のようにヘリコプターでフィールドにさっそうと降り立ち、伸びのある速球を投げる意味は大きい。体力の低下や老化が指摘されている健康状態に問題がないことを誇示し、改めて「力強い指導者・トランプ」の像を支持者に訴えられるのだ。

 かねて不仲が噂される米国立アレルギー感染症研究所所長のアンソニー・ファウチが7月23日にナショナルズパークでのナショナルズ対ヤンキース戦で始球式を行っている。「私の友人ランディから招待された」とヤンキース社長のランディ・レビンから直接要請されたと強調した点に、ファウチに対するトランプの対抗心が透けて見える。

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