坂本は三振だが…元巨人岩本が4打席連続本塁打を逃したワケ

公開日: 更新日:

 試合は七回を終えて14対6と巨人の一方的なリード。岩本を敬遠しなければならない展開ではない。だが、これには伏線があった。この年の5月6日の大洋対広島戦のダブルヘッダーで、青田は第1試合の八回裏に2ランを放つと、第2試合の第1打席から3連続ホームラン。4打席連続本塁打の日本記録を樹立していたのだ。

「その日、私は打撃が絶好調で、4打席目もホームランが打てる気がしていました。青田さんほどの打者ですから、目の前で自分の作った記録に並ばれるのでは、と感じたのかも知れません」

 大洋の迫畑正巳監督は権限を無視されたのに何も言わず、ベンチからまったく動かなかった。結局、青田に言われるまま、マウンドの豊田実投手は岩本を敬遠した。

 翌日の試合、岩本は第1打席で凡退。四球をはさんでの4打席連続本塁打も達成できなかった。青田は首位打者、本塁打王、打点王を獲得するなどチームの主力選手。迫畑監督は就任1年目。投手の豊田は新人。青田の要求に従わざるを得なかったようだ。

 64年前に記録達成を阻まれた大先輩の事情を知れば、少しは坂本の慰めになるだろうか。

▽富岡二郎 スポーツジャーナリスト。1949年生まれ。東京都出身。雑誌記者を経て新聞社でスポーツ、特にプロ野球を担当。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に