大坂五輪出場の不可解 うつ病告白でもゴリ押しテニス協会

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 全仏オープン2回戦を棄権し、自身のツイッターでうつ病を告白した大坂なおみ(23)。「しばらくコートから離れようと思う」と休養を宣言した本人を、気遣うどころか「1日も早く元気になって、そこ(東京五輪)でプレーしていることを楽しみにしているところです」と言ったのが日本テニス協会の福井烈専務理事だ。

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 スポーツライターの武田薫氏は「理解に苦しみますね」と、こう言ってクビをひねる。

■プレッシャーのようなもの

「今回の全仏は、いまも夜間の外出制限がある中、主催者も選手も大変な思いをして開催にこぎ着けた。主催者はそれこそ夜も寝ずに準備したそうですし、選手もそんな思いに応えようとした。フェデラー、ナダル、ジョコビッチの3強が一堂に会したのは1年半ぶりです。コロナ禍の中、行われた全豪を経験した大坂はそういった背景を知りながら途中棄権した。それだけうつ病が重いということでしょう。テニス協会は本来、そんな大坂を気遣ってしかるべきです。たとえ本人が東京五輪に出ると言っても、大坂のことを思えばストップをかけるところじゃないですか。なのに、五輪でのプレーを楽しみにしているというのは、五輪に出なさいと言っているのと同じ。うつ病の大坂にプレッシャーをかけているようなもので、病状がより悪化するんじゃないかと心配になります」

■ランキング剝奪の可能性

 いや、福井専務理事以上に大胆な発言をしている人もいる。一般紙やスポーツ紙がそろって「関係者」としている人物のことで、本人が「しばらくコートを離れる」と言っているそばから、「間違いなく出る。五輪への思い入れは強い」と断言しているのだ。

「テニス協会の人間でしょう」と、放送関係者がこう続ける。

「今回、大坂が会見を拒否した問題で、だれよりも泡を食ったのはテニス協会です。グランドスラム委員会はこのまま大坂が会見拒否を続けた場合、全仏の失格や、グランドスラムの出場停止処分を科す可能性を通告している。グランドスラム委員会はツアーの頂点に立つ組織だけに、処分は4大大会に限らず、ツアー全体に波及する可能性が高かった。選手の試合後の会見はツアー全体で義務付けられていますから。となるとツアーそのものからはじき出され、ランキングも失うかもしれない。そうなると大坂は、五輪に出たくても出られなくなってしまいますから」

人員とカネを惜しまず

 五輪の出場資格は今回の全仏終了後、6月14日付の世界ランキングによって決まる。現時点で世界ランク2位の大坂が出場資格を得るのは間違いないが、ランキングそのものを失ってしまえばそれもパーだ。

テニス協会の吉川女子ナショナルコーチは、当時、無名だった15歳の大坂に目を付け、協会ぐるみで支援してきた。大坂が母親と祖父のいる日本国籍を取得するまでは吉川コーチが臨時のヒッティングパートナーを務めた経験があるし、土橋強化本部長も大坂の海外ツアーに帯同したことがある。長年にわたって、それなりの人員やカネを惜しまず投入してきたのは、一にも二にも東京五輪で大坂に日の丸を揚げてもらうため。テニス協会はJOCのカネで動いているようなものですから。あくまで五輪用とはいえ、大坂が日本国籍を選択したとき、テニス協会はそれこそ万々歳だったはずです。それが五輪直前のこのタイミングで大坂が出られないような事態になったら、それこそ目も当てられません」(前出の放送関係者)

 そもそも福井専務理事は日本オリンピック委員会(JOC)の専務理事も兼務している。出れば金メダルが有力視される選手を何が何でもプレーさせたい気持ちは分かるとして違和感をもった人が多いのも事実。うつ病を患ったことについて「知らなかった」と話しているが、テニス協会の幹部が有力選手の体の状態を把握していなかったのだろうか。「五輪に出る」と断じた関係者も含め、本当は病状がさほど深刻ではないと知ったうえでの発言なら納得だが……。 

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