著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

五輪開催 錦織と大坂のテニス選手ゆえ実感こもる重い発言

公開日: 更新日:

 陸上競技のオリンピックテスト大会が行われるなど、緊急事態宣言と迫りくる五輪開催準備の二律背反が複雑な影を投げている。そんな中、ローマ・マスターズに出場している錦織圭が切り込んだ発言をした。

「死人が出てまでも行われることではない」

 これより前に、大坂なおみもこう話していた。

「(ホスト国の)人々を危険な目に遭わせ、不都合を招く可能性があるのなら、いまこそ議論をすべき時だと思う」

 ごくまっとうな話だが、テニス選手だからこそ重みのある発言と言える。

 2人が滞在しているイタリアはパンデミックの再来で1日に200人近い死者が出ている。その中で大会を開催しているのは、ツアーが4年に1度の“祭典”とは異なる生活そのものだからで、テニス界はその基盤維持のために大変な努力、試行錯誤をやってきた。

 世界的ロックダウンにあった昨夏、全米オープンは無観客と完全バブル構築でどうにか開催にこぎつけた。スポーツの第一歩だった。1カ月後、今度はパリで全仏が一部観客を入れ、今年の全豪では全選手が2週間の隔離待機――これらの“実験”をテスト大会も参考にしている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束